2014年10月25日土曜日

Take Me To Church ホウジア (Hozier)

下にあるこのミュージック・ヴィデオはかなり見るのが辛い内容で,ゲイの男性がリンチされています。このミュージック・ヴィデオは,Brendan Cantyが監督したもので,ロシアにおけるゲイの人々への抑圧を批判したものです。この曲については,教会のような宗教界的指導者の偽善と大衆扇動を非難していると多くの人が考えているようですが,それはおそらくこれが理由でしょう。
The music video below in which a gay man seems to be lynched by others is pretty disturbing.  It's directed by Brendan Canty criticizing the repression of gay people in Russia.  Probably it's the reason that many people think the song criticizes the hypocrisy and demagoguery of religious people such as the church.
Take Me To Church  (Hozier)
My lover's got humor
She's the giggle at a funeral
Knows everybody's disapproval
I should've worshiped her sooner
If the Heavens ever did speak
She's the last true mouth piece
Every Sunday's getting more bleak
A fresh poison each week
We were born sick, you heard them say it
My church offers no absolution
She tells me 'worship in the bedroom'
The only heaven I'll be sent to
Is when I'm alone with you
I was born sick, but I love it
Command me to be well

Amen (x3)

Take me to church
I'll worship like a dog at the shrine of your lies
I'll tell you my sins and you can sharpen your knife
Offer me that deathless death
Good god, let me give you my life

Take me to church
I'll worship like a dog at the shrine of your lies
I'll tell you my sins and you can sharpen your knife
Offer me that deathless death
Good god, let me give you my life

If I'm a pagan of the good times
My lover's the sunlight
To keep the goddess on my side
She demands a sacrifice
To drain the whole sea
Get something shiny
Something meaty for the main course
That's a fine looking high horse
What you got in the stable?
We've a lot of starving faithful
That looks tasty
That looks plenty
This is hungry work

Take me to church
I'll worship like a dog at the shrine of your lies
I'll tell you my sins so you can sharpen your knife
Offer me my deathless death
Good god, let me give you my life

Take me to church
I'll worship like a dog at the shrine of your lies
I'll tell you my sins so you can sharpen your knife
Offer me my deathless death
Good god, let me give you my life

No masters or kings when the ritual begins
There is no sweeter innocence than our gentle sin
In the madness and soil of that sad earthly scene
Only then I am human
Only then I am clean

Amen (x3)

Take me to church
I'll worship like a dog at the shrine of your lies
I'll tell you my sins and you can sharpen your knife
Offer me that deathless death
Good god, let me give you my life

Take me to church
I'll worship like a dog at the shrine of your lies
I'll tell you my sins and you can sharpen your knife
Offer me that deathless death
Good god, let me give you my life

付き合ってるあの子には
ちょっと面白いところがあって
お葬式の時なんか
あの子のことを見て
思わず笑っちゃうんだけど
それが顰蹙買ってることは
あの子もちゃんとわかってる
もっと早くにあの子のことを
認めておけばよかったよ
もし神がいて
何かのお告げがあるとしたら
それをちゃんと伝えられるのは
あの子くらいしかいないんだから
生きている本物の
預言者はあの子だけなんだ
日曜に教会に行っても辛いだけ
毎週うれしくないことを
次から次へと聞かされるから
生まれた時から出来損ないって
そう言うのを聞いただろ?
通ってるあの教会じゃ
赦しも与えてくれないけど
あの子はこう言ってくれるんだ
「ベッドルームでお祈りしなさい」
だから自分にとっての「天国」は
2人で過ごす時なんだ
生まれた時から出来損ない
だけどそれも悪くない
だからこそ良くなれるんだ

アーメン(3回繰り返し)

「教会」に連れてってくれ
そうすりゃまるで犬みたいに
でっち上げたものだって
有難がって拝んでやるよ
犯した罪も白状するから
思う存分いたぶってくれ
死にそうな目にあわせてくれよ *
ちくしょう,お前の好きにしろ

「教会」に連れてってくれ
そうすりゃまるで犬みたいに
でっち上げたものだって
有難がって拝んでやるよ
犯した罪も白状するから
思う存分いたぶってくれ
死にそうな目にあわせてくれよ 
ちくしょう,お前の好きにしろ

もし昔の異教徒だったら
自分の好きな相手のことが
太陽の光みたいに思えるはず
だけどご加護を受けるには
自分の大事にしているものを
犠牲にする覚悟がいる
だから一面海が干上がるような
ことをしようと思ったら
少々のものじゃダメなんだ
キラキラと輝いて
何か中身のあるものが
メイン・コースに必要だけど
そんな傲慢許されるのか? 
お前のその馬小屋には
一体何が隠れてるんだ?
飢えたファンならいくらもいる
味わいは最高だし
足りなくなることもない
本当に腹の減る
大変な仕事だよ

「教会」に連れてってくれ
そうすりゃまるで犬みたいに
でっち上げたものだって
有難がって拝んでやるよ
犯した罪も白状するから
思う存分いたぶってくれ
死にそうな目にあわせてくれよ
ちくしょう,お前の好きにしろ

「教会」に連れてってくれ
そうすりゃまるで犬みたいに
でっち上げたものだって
有難がって拝んでやるよ
犯した罪も白状するから
思う存分いたぶってくれ
死にそうな目にあわせてくれよ
ちくしょう,お前の好きにしろ

あの「儀式」が始まったら
もうどっちが偉いとか
そんなことはどうでもよくなる
だからそういう優しさまで
「罪」だって言うのなら
悲しくなるほど世俗にまみれて
どこかおかしいこの世の中に
純潔なんてものはないんだ
やっと「人間」になれた気がする
やっと「まとも」になれた気がする

アーメン(3回繰り返し)

「教会」に連れてってくれ
そうすりゃまるで犬みたいに
でっち上げたものだって
有難がって拝んでやるよ
犯した罪も白状するから
思う存分いたぶってくれ
死にそうな目にあわせてくれよ
ちくしょう,お前の好きにしろ

「教会」に連れてってくれ
そうすりゃまるで犬みたいに
でっち上げたものだって
有難がって拝んでやるよ
犯した罪も白状するから
思う存分いたぶってくれ
死にそうな目にあわせてくれよ
ちくしょう,お前の好きにしろ

(補足)

* deathless death・・・一説によると,いわゆるセックスの快楽,エクスタシーのことだそうです。

(余談)

リード文でも述べたように,この曲の歌詞を宗教界への批判と捉える人が少なくないのは,あのミュージック・ヴィデオが強烈過ぎるためでしょう。キリスト教では同性愛を認めていないので歌詞に登場するchurchを字義通りに捉えればその解釈も可能です。実際のところ,当初は私もこの曲はそういう内容だと考えていましたし,それがために歌詞の冒頭に登場するsheにいささか当惑もしました。

ただ,HozierがThe Cutに説明したところによると,この曲は「セクシャリティや性的指向というものはごく自然なもので,セックスは最も人間らしい行動のひとつなのに,教会のような(宗教)組織は,性的指向を恥ずかしいものだと教えて,人間らしさを損わせる怖れがある。すごく罪深いことだと思うし,神の意思にも反するものだと思う。だからこの曲は自分を認めて,セックスを通じて人間らしさを取り戻そうという内容」なんだとか。

そこでそういう前提で歌詞を改めて眺めてみると・・・確かに「いかにも」な箇所がてんこ盛りです。とりわけ当初は教会に対する主人公側の皮肉だと考えていた以下の部分は,前述の観点から見ると,全く別の意味を帯びてきます。

「教会」に連れてってくれ
そうすりゃまるで犬みたいに
でっち上げたものだって
有難がって拝んでやるよ
犯した罪も白状するから
思う存分いたぶってくれ
死にそうな目にあわせてくれよ
ちくしょう,お前の好きにしろ

・・・ただ,どの点がどのような新たな意味を帯びたかについては,ここで詳細に言及するのは避けたいと思います。

14 件のコメント:

  1. pvに出てくる箱ってあれは何ですか?

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  2. 事後報告で申し訳ないのですが、ブログに引用させていただきました。

    久しぶりにMV・曲、そしてこちらのサイトで読ませてもらった歌詞に引き込まれてしまいました。
    何度も何度もMVを見ましたが、心中複雑で何とも言えない切なくて悲しい気持ちになり
    涙が出てきます。

    深読みしすぎかもしれませんが、管理者さんの仰るように言及は避けたいですが
    同性愛者にたいする差別への皮肉だけとは、到底思えないのです。
    ある組織による儀式への抗議のメッセージに聞こえます。
    (このコメントの公開は管理者さまで決めてください。お手数をおかけいたします。(*_ _)人ゴメンナサイ)

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    1. コメントありがとうございます。ただ大変申し上げにくいのですが,私が余談であのように言及したのは,どちらかといえば(というより100%)エロ方面の意味なので,felicite様の仰る「ある組織による儀式への抗議のメッセージに聞こえ」たわけではありません。(そもそも「ある組織」と伺っても,私の脳裏に浮かぶのはせいぜいがSMクラブ程度ですが,それに関しても,双方が合意の上であればなんら問題はないと考えております。)

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  3. 返信いていただきありがとうございます♪

    あまり深追いしすぎは良くないですね。^^;
    管理者様のユーモアに助けられました。(。◕‿-) ありがとう ✿

    これからも素敵な和訳と解説を楽しみにお邪魔致しますね。どうぞよろしくお願いします。(*ov.v)o

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    1. コメント並びに温かいお言葉ありがとうございます。こちらこそ今後もよろしくお願いいたします。

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  4. YoutubeでSergei Poluninの動画を観て歌詞を知りたくなり、探すうちにこのページに巡り会いました。

    表面的な訳語ばかりでなく隠れた意味も知ることができ大変勉強になりました。ありがとうございました。

    読んでみるとなかなかに苦い歌詞でした。そして自分にはどこか諧謔も感じられたのです。

    とはいえ私は東洋人で、キリスト教の信者ではなく、おまけに女性なので、これを作った彼や彼と同じ文化圏の人々とはきっと感じ方がずいぶん異なっていることでしょうと思います。

    この動画はプロモーションが目的なのでしょうね。とすると内容が刺激的なことは合点がいきます。ともあれ、最初に観たものとあまりに違うので驚きました。同じ歌に寄せて作られたとは思えないほどでした。

    今日はありがとうございました。ずっとお元気で続けられますように。

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  5. 英語の日本語訳が間違えているところがいくつかあります

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  6. クリスチャンと日本語を勉強する外国人ですけど。。。エクスタシーの叙説はやっぱり正しいけど『deathless death』はもう1つの叙説があるらしい。そのは救いを通じて永遠の生命への参照だと思う。『deathless death』はコリントの信徒への手紙ー15:54によると、『この朽ちるべきものが朽ちないものを着、この死ぬべきものが死なないものを着るとき、次のように書かれている言葉が実現するのです。「死は勝利にのみ込まれた。」』つまり、歌手はイエスではなく、恋人からの救いの提供を求めている。

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    1. コメントありがとうございます。不可知論者なので聖書については詳しく存じませんが,主人公が相手(恋人)からの救いを求めているということは大変良くわかりました。また何かお気づきの点がありましたら是非お知らせください。お待ちしております。

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  7. BBC Radioの企画でこの曲をEd Sheeranがカバーしている動画をYouTubeで見ました。Hozierももちろん素晴らしいのですが、Edが歌うとEdの歌に聞こえてしまうのが、彼のすごいところだと感じました。(ちなみに、同じ企画でEdはSam SmithのStay with meも歌っており、こちらも必聴ものだと感じました。)
    Hozierのページなのに、Edの話題で申し訳ありません・・・

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    1. コメントありがとうございます。いやいやそれでも「音楽」という括りからは逸脱していないので問題ないかと存じます。試しにSam SmithのI'm Not The Only Oneのコメント欄の前半をご覧ください。話題の中心はもはや「音楽」ですらありません

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  8. はじめまして。
    私もポルーニンの映画を観て歌詞の意味を知りたくなり、およげ!対訳くんを読ませていただきました。
    彫刻も好きなので時々美術系の宗教辞典などを読んだりします。
    不死の死をどうとらえたらいいのか…難しいですね。
    ふと、思い出した涅槃ですが
    涅槃、ニルヴァーナは二度と生れない世界(つまり死なない生まれ変わらない世界)のことですが
    中村元さんによると声を荒らげないだけで安らぎを得られる楽しい境地だと書いていました。
    クラシックバレエの世界もロシアの狭い倫理観も似たようなものが感じられますね(もちろん日本もそうですが)
    伝統やメソッドには善も悪もないけれど、組織の掟は…厳しいですね。
    不死が死ぬとは天国の否定でしょうから、では、何処へ?
    それは「今」の「生」なのかな?野獣でいい場合もありだと思いますが。このゲイさんたちの場合…
    正直な野獣というより破滅のスリルを楽しんでいる感じはしますね。
    間に合わなかった男は友の命や二人の大事な箱を救えなかった。けれどもその悲劇を味わう機会を得た。
    「彼女」が葬儀で微笑む不敬は死者へのものではなく神そのものでもなく「教会」←人が作った倫理に向けられている…
    そんな感じがしました。

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  9. はじめまして。
    私もポルーニンの映画を観て歌詞の意味を知りたくなり、およげ!対訳くんを読ませていただきました。
    読めば読むほど愛の肉体的な痛さが感じられて切なくなりました。
    対訳をありがとうございます。

    私は彫刻が好きで時々美術系の宗教辞典などを読んだりします。
    不死の死…難しいですね。
    ふと、思い出したのは涅槃ですが
    涅槃ニルヴァーナは二度と生れない世界(死なない・生まれ変わらない世界)だそうですが
    中村元さんが著書の中で、声を荒らげないだけでも安らぎを得られるような楽しい境地、みたいなことをお書きでした。
    ところで、クラシックバレエ界もロシアのゲイへの倫理観も似たようなものが感じられますね(もちろん日本もですが)
    伝統やメソッドには善も悪もないけれど、組織の掟というのは…厳しいものがありますね。
    不死の死とは、天国の否定でしょうから、では何処へ?という疑問も生まれます。
    それは「今」の「生」なのでしょうか。
    このゲイさんたちの場合…人間の本性よりも破滅のスリルを楽しんでいる感じがしました。
    間に合わなかった男は友の命や二人の大事な箱を救えなかった。
    けれどもそのスリルと悲劇を味わう機会は得た…。
    「彼女」と微笑む不敬は死者へのものではなく神そのものでもなく人が作った「教会」倫理に向けられたのでしょう。

    歌詞を書いた人の気持ちがわかる部分と受け入れられない部分はあります。人生は過酷、つらいです(しみじみ)。

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  10. She's the giggle at a funeralのところの
    「あの子のことを見て思わず笑っちゃうんだけど」
    の訳おかしくありませんか?「あの子は葬式の時なんかにクスクス笑っちゃう」みたいな訳になると思うんですが、、
    特別英語出来るわけじゃないので間違ってたらすみません

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